月夜に花が咲く頃に
「最初はそのつもりだったんです。でも、紅雅さん達が現れた瞬間に、あいつらが突然暴れ出して・・・・・・!」


それであんたはその最初の一撃をなともに食らったって訳か。


仲間がやられて、紅雅達が黙ってるわけがない。


それにしても、どうして紫樂がわざわざ喧嘩をふっかけたんだろう。


ここら辺の地域でトップを張ってるのが暁だってことは、周知の事実のはずだし、そんな簡単には手を出す奴らなんていないはずなのに。


何か、勝算がある・・・・・・?


なんとなく嫌な予感がして、冷や汗が垂れた。


説明してくれた子の手当をすませてから、喧嘩している奴らに再び目を向ける。


光と楓は背を向け合って、次々と向かってくる男達を無駄のない動きで仕留めていく。


光なんか余裕そうにあくびしながら。


少しは緊張感を持ったらどうなんだ。


紅雅は・・・・・・。


2人から少し離れたところで、男と1対1でやり合っていた。


あの男が、紫樂のトップなのか?


黒髪に一筋だけ紫色のメッシュが入っている。


紅雅に圧されているのにもかかわらず、その顔はにやついていた。


「・・・・・・何がおかしい」


「やっぱ、強いなあと思ってさあ」


その話し方に、嫌悪感を覚える。


なんとなく、嫌な感じ。


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