月夜に花が咲く頃に
参
私たちのそんな事情をよそに、期末試験は行われた。
翼も光も、試験直前まで教科書とにらめっこしていたが、思ったより解けたらしく、終わると晴れやかな笑顔で駆け寄ってきた。
「雫ー!やっと終わったよー!」
「なんとか全科目赤点回避できそうだわー。さすが俺!」
「うわっ、なんであんたがここにいるのよ。自分のクラス戻りなさいよ」
「もう放課後なんだからどこにいたっていいだろ!」
テストが終わって解放された気分なのか、2人の口喧嘩もいつもより激しめだ。
いや、いつもこんくらいだったっけ?
「もう、あんたといるとほんっとに疲れる!私もう部活行くから!じゃあね、雫!」
「あ、うん、がんばってね」
そうか、今日から部活再開か。
光に向かってべーっと舌を出した翼は、体育館へと走っていった。
「相変わらず可愛くねえ女!」
「まあまあ、俺らも帰ろう」
鼻息を荒くして怒る光を楓がなだめながら、教室を出る。
私と紅雅も、それに続いた。
校門前では、ガクが運転する車が停められていた。
今まで暁の倉庫に行くときは、大抵歩いて行くか誰かのバイクの後ろに乗っていた。
こんないかにも、な車が毎日校門の前で自分を待っているなんて嫌だ、と言ったら、紅雅が私の意見をのんでくれたからだ。
翼も光も、試験直前まで教科書とにらめっこしていたが、思ったより解けたらしく、終わると晴れやかな笑顔で駆け寄ってきた。
「雫ー!やっと終わったよー!」
「なんとか全科目赤点回避できそうだわー。さすが俺!」
「うわっ、なんであんたがここにいるのよ。自分のクラス戻りなさいよ」
「もう放課後なんだからどこにいたっていいだろ!」
テストが終わって解放された気分なのか、2人の口喧嘩もいつもより激しめだ。
いや、いつもこんくらいだったっけ?
「もう、あんたといるとほんっとに疲れる!私もう部活行くから!じゃあね、雫!」
「あ、うん、がんばってね」
そうか、今日から部活再開か。
光に向かってべーっと舌を出した翼は、体育館へと走っていった。
「相変わらず可愛くねえ女!」
「まあまあ、俺らも帰ろう」
鼻息を荒くして怒る光を楓がなだめながら、教室を出る。
私と紅雅も、それに続いた。
校門前では、ガクが運転する車が停められていた。
今まで暁の倉庫に行くときは、大抵歩いて行くか誰かのバイクの後ろに乗っていた。
こんないかにも、な車が毎日校門の前で自分を待っているなんて嫌だ、と言ったら、紅雅が私の意見をのんでくれたからだ。