月夜に花が咲く頃に
未だに点PかQかで討論している男達は放っておいて、幹部室へ向かう。


ドアを開けると、先に上へ上がっていた3人が何やら真剣な表情で話し合っていた。


楓が私に気づいてにこ、と笑う。


「雫ちゃん、今お茶いれるね」


「いや、いいよ。なにか大事な話してたんでしょ?自分でやるから、続けて」


立ち上がろうとする楓をソファに押し戻して、キッチンへ向かう。


楓はごめんね、と言ってからまた話し合いを始めた。


「正直、問題は鬼灯組だ。最悪、死人が出る」


「まだ襲われた奴はいねえのか?」


「一応、今のところは。でも、そういうことがいつ起きてもおかしくない」


「じゃあ、今俺らがあっちに乗り込んだとして、俺らの勝率は?」


「・・・・・・正直、0に等しい」


重苦しい沈黙が流れる。


解決策が、見当たらない。


このままでは、紫樂の思うがままに、暁は鬼灯組に潰されてしまう。


紫樂の手の平で転がされているみたいで、どうも嫌な感じだ。


唯一の救いは、まだ実際に鬼灯組から手を出されていないということと、この前の喧嘩で出た怪我人が少なかったことだ。


「まんまと紫樂にしてやられたね。あの日、繁華街で俺らが気づくように薬を売ってたのも、俺らが鬼灯組の奴に手をかけるように誘導してたってことか」


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