恋の休日
「どうして言った瞬間にそうなるの?」
「ちゃんと食べていたのに・・・・・・」

 今度は慎重にミートスパゲティを十分後に食べ終えて、ペンギンの散歩に行くことにした。
 ペンギンのよちよち歩きする姿が愛くるしく、多くの人達を虜にする。もちろん史菜も歓声を上げて夢中になっている。
 散歩することができるのはたった十五分だけなので、とても短く感じる。

「もうおしまい」
「本当にちょっとだった・・・・・・」
「史菜ちゃんの前世、ひょっとしたらペンギンかもね?」

 玲人が言ったことに史菜はキョトンとした。

「どうして?」
「歩く姿が同じだった」

 それを聞いて怒った史菜は玲人の背中をポカポカと叩いた。

「もう!」
「あはは!」

 ペンギンの散歩の後にラッコのお食事、最後にイルカショーへ向かった。潮の香りに包まれて、イルカがパフォーマンスをして楽しませてくれる。
 中に入るとすぐにイルカショーが始まり、観客達を含め、史菜もはしゃいでいる。
 観覧席とショープールの距離が近く、躍動感のあるパフォーマンスが素晴らしく、楽しませてくれる。
 ダイナミックなジャンプや可愛らしい仕草を目の前にして史菜が笑みを零していると、最前列に座っている観客達が悲鳴を上げた。
 空に向かってジャンプしたイルカ達が豪快な水飛沫を浴びせた。

「すごいね!」
「本当、最前列を避けていて良かった」

 できるだけイルカの近くでショーを楽しもうとしていた史菜を玲人が説得して、後列に座った。
 浴びた水がどのくらい冷たいのかわからないが、浴びせられても笑い声を上げていたので、冷たかったに違いない。
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