日替わり彼氏
あっという間に放課後になった。
授業中も休憩時間もスマホを確認したけど、なにも変わりはない。
これじゃ、いつ月曜日の彼氏候補が現れるかわからないじゃないか。
「あっ」
部活がある弥恵と別れて、校庭に出た私はその場に立ち尽くした。
もしかして__騙された?
志保に、騙されたんじゃ?
私をからかったのか、日替わり彼氏を紹介してポイントを貰うとか、そもそも日替わりで彼氏なんか来るわけがない。
普通に考えたら、不自然すぎる。
「マジで最悪」
そう吐き捨てたとき、ちょうど校門を出て行く志保の後ろ姿を見つけた。
慌てて駆け出す。
問い詰めてやる。
ブスのくせに、ちょっと彼氏ができたからって生意気なんだ。
問い詰めて、泣かせてやるんだから!
鼻息荒く、志保の肩に手を置いた。
「智花?」
そう言ったのは__志保じゃない。志保の背中はどんどん遠ざかっていく。
「えっ、あの」
いきなり目の前に現れた、背の高いイケメン。
私の名前を呼ぶけど、知らないひとだ。だって、こんなにカッコいいなら、覚えていないはずがない。
必死で思い出そうとする私に向かって、ふっと笑いかけると__。