日替わり彼氏
「俺たち日替わり彼氏は、お前ももう知ってるだろうけど、いろんな事情で登録してる、おおかたが金のためだ」
「__借金?」
「そうだ。登録してデートをするだけで金が貰える。そしてもし彼氏に選ばれたら、借金がチャラになるんだよ」
それは、志保が言っていたことと重なる。
「俺は、親の会社がやばくて金に困ってた。もし選ばれたら、借金がチャラになる。だからやりたくもねー、日替わり彼氏なんかやってたんだ」
大輔の口から明かされる、裏の真実。
先生も教師だけの給料じゃ、やっていけないからと参加していた。そして別れてしまうと借金がまた戻る。だから、私たちの言うことをなんでもきく奴隷彼氏になったんだ。
でも__そのお金はどこから出てくる?
私たち女性は、それほど高額な登録料を払うわけじゃない。
一体、どうやってお金が巡ってくるのか?
「借金がチャラになるだけじゃない、俺たち日替わり彼氏には、最後にひとつ大儲けができるチャンスがある」
「チャンス?」
「ああ。もし付き合って結婚することができたら、特別ボーナスが入るんだ。充分に遊んで暮らせるだけの金がな」
「そのお金って__?」
「死亡保険金だ」