日替わり彼氏
「柏木智花を死刑と処する」
私が犯した罪はなんだろう?
今さら、正当防衛だと主張しても遅い。先生に先に殺されそうになったと、証言してくれる大輔ももういない。
私が弥恵を刺したあと、海に突き落とした。
大輔と共謀し、先生も殺害した罪で私は極刑を言い渡され__?
「目が、覚めたかい?」
ここは?
私は、死刑じゃないの?
「もう、心配いらないよ。僕がついてるから」
そう言って、私の手を握ってくれたのは__寺本さんだった。
「ここは__?」
「病院だ。気を失って倒れてたらしい」
「あの、私?」
「うん、警察が事情を聞きたがってる。でも今はとにかく休むんだ。ぜんぶ、僕に任せて」
「でも__」
体を起こしかけたけど、強い眠けに襲われる。
「いいんだよ、僕が君を守るから」
そんな声が遠くから聞こえてきた__。
次に目を覚ましたときは、医師が同席して警察に事情を聞かれた。もちろん、隣で寺本さんが手を握ってくれていて、私の盾になってくれた。
なにもかもを正直に話す。
てっきり逮捕されると思ったのに、刑事たちはおとなしく帰っていった。
「もう、これで終わりだよ?」
「終わり?」
「そう、新しいスタートともいう」