日替わり彼氏
あーあ。
なんだ、冷やかしか?
彼女ありでもいいなら、彼氏に選ぶってこと?
パフェを食べる気も失せた私はでも、頑張って「どんな彼女なんですか?」なんて聞こうと思った。
するとそれより先に「彼女はパフェが好きで」と拓也が話し出す。
おいおい、のろけかよ。
彼女持ちとは付き合うつもりないし。
もう帰ろうと席を立とうとした時だった。
「抹茶パフェが好きで、名前は智花っていう」
「えっ?」
「俺の彼女。いや、未来の彼女かな?」
恥ずかしそうにはにかむ拓也に、上げかけていた腰を下ろした。
「あの、それって__?」
「俺と付き合ってほしい」
突然の告白に、驚くしかない。
「正確にいうなら、俺を彼氏にしてほしい」
「あの、彼女は本当に?」
「いない。いや、目の前にいる」
じっと私の目を覗き込む拓也は、冗談を言っているようには見えない。
胸の鼓動が早まる。
しばらく、私たちは見つめあっていたけど__。
「ちょっと、急ぎすぎかな?」
拓也がふっと肩から力を抜いた。
「智花が可愛いから、つい。まだデートは始まったばかりだし、少なくても月曜日は、智花は俺のものだから」
俺だけのものだから、と。