日替わり彼氏
ああ、マジで昨日は災難だった。
思い出すだけで、ぞっとする。
今日は木曜日だ。あと2人とデートしなきゃいけない。
それがたとえ、どんなにブサイクでも我慢しないと。今日もハズレの可能性だってあるんだ。
用心しつつ家を出たけど、誰も居ない。
学校に着いて弥恵と喋っていても、なんだか気が気じゃなかった。
放課後になればきっと、校門の向こうで待ち構えているはずだ。
木曜日の彼氏候補が__。
それは、お昼休みのチャイムが鳴ってすくだった。
突然、静かになったんだ。
これからお昼ご飯の時間で、机を移動したり、ふざけ合ったり、がやがやしていたのに__?
時が止まったように、静まり返った。
「ちょっと、こっち見てない?」
弥恵まで、囁き声だ。
ん?と辺りを見回すと、みんなが黙り込んだ理由が分かった。もちろん、私も息を押し殺す。押し殺して、その理由をチラッと見ると、ばっちり目が合った。
「柏木、ちょっと顔かせよ」
「ひっ!」
息を飲み込む。
な、な、なんで?
あっ、こないだ、ぶつかったから?
むち打ちになったとかで、慰謝料を請求されるんじゃ?
きっとそうだ。
どうしよう。お金がないった言ったら、体で払えとか言われるんじゃ?
涙目で金髪ヤンキー坂口についていくと、屋上に出た。
すると、いきなり坂口が振り返った。
な、殴られる!と思って目をぎゅっと閉じて__。