日替わり彼氏
日替わり、彼氏?
なにそれ?
私の表情から判断したのか「知らないよね?」と志保がスマホを操作し出した。
「これ、紹介制だから、やっぱりまだ出回ってないんだよね」
はい、とテーブルに置かれたスマホの画面。
そこには【日替わり彼氏】と書かれてあった。
やっぱり、レンタル彼氏みたいなもの?
お金を払ってイケメン彼氏を借りるわけ?
なーんだ。
がっかりするというより、納得した。
これでブスな志保にも彼氏ができたワケが分かったから。
「1人しか紹介できないけど__智花は私が中学のときにいじめられてても話しかけてくれたから。智花に教えてあげるよ」
「えっ、いいよ別に」
「彼氏、欲しくないの?」
「そりゃ欲しいけど、こんなの本物の彼氏じゃないじゃん」
「えっ?本物だよ?」
「お金で借りるわけでしょ?」
「うーん、登録料はちょっとかかるけど、それだけだよ?あとはお金なんてかからないし」
「お金で借りるんじゃないの?」
「違う違う!運命の相手を探すアプリだよ?」
「運命の、相手?」
「そう。それを日替わりで試すの。そしてその中から、気に入ったひとを選ぶ。それが、彼氏になるってわけ」
「日替わりで__?」
よく分からなかったけど、ちょっと興味でてきたかも。