日替わり彼氏
土曜日のデートは、午前と午後で行われる。
待ち合わせ場所に向かうと、すでに彼氏候補は待っていた。
「すみません、待ちましたか?」
「いや、俺も今きたところだから」
そう言って、優しく微笑む。
「じゃ、行こうか?」
「はい」
私が頷くと、2人で並んで歩き出す。
そしてさり気なく、月曜日の彼氏候補は私の手を握った。
私が選んだ1人目は、拓也だったんだ。
タイトなジャケットに身を包んだ姿は、洗礼されていてオシャレだった。その隣で手を繋いで歩いているだけで、私もなんだか質が上がったように思える。
拓也が考えてくれたデートコースは、プラネタリウムだった。
そういえば、前回のデートの時も星に詳しかったっけ?
天井に広がる、無数の星たち。
その神話を聞きながら、私たちは光り輝く星空を楽しんだ。
「でも、智花のほうが綺麗だよ」
そんな歯の浮くようなセリフも、胸がきゅんとする。
近くのイタリアンレストランでピザを食べ、笑いが絶えない穏やかな時間が過ぎていく。
もうすぐお別れなのが、寂しいくらいに__。
「智花、今日はありがとう」
別れ際、拓也にそっと抱きしめられた。