日替わり彼氏
拓也には、年上彼氏の余裕がある。
周りに気配りができて、私のことを1番に考えてくれる心のゆとりが。
それは、私の周りの男子には無いものだった。
強引にキスをされるよりも、ルールを守って、でもそれを我慢できずにいた姿が、印象に残っていたんだ。
「智花なら俺を選んでくれるって、信じてた」
強く、でもあくまで包み込むような優しいハグは心が溶けそうで__。
「このまま信じてる」
「__うん」
「俺が、智花の彼氏に選ばれるのを」
私たちは、長く見つめ合った。
この人を選べば、私はきっと幸せになれる。
みんなに自慢できるし、最高の彼氏になるだろう。
「今度、会うときは彼氏だな」
そう言い残して、拓也は去っていった。
そんな月曜日の彼氏候補への思いは、今回のデートでより固くなる。
2回目のデートだ。
どこか粗探しをしていた私だったけど、拓也は今回も完璧だった。
私をエスコートしてくれて、楽しませてくれて、包み込んでくれる。
粗どころか、私の中でますます株が上がっただけだ。
残すデートはあと1回。
次の彼氏候補で、すべてが決まる。
私の彼氏が決まるんだ。