日替わり彼氏
『どうして日替わり彼氏をしたのか?』
それはとても簡単な問いかけなのに、私はどうしても先生に尋ねることができなかった。
そういえば大輔も、2回目のデートの時に様子がおかしくなかったか?
なにか特別な理由がありそうだった。
先生にもきっと、日替わり彼氏を始めた理由がある?
そしてそれは、あまり耳にしくないことじゃ?
「悪い。今度の土曜日も会議になったんだ。日曜日に変更してくれるか?」
先生からの申し出に、素直に従う。
「日曜日、楽しみにしてる♡」とメッセを返し。
♡マークとは裏腹に、私の心はざわついていた。
実は、こないだの土曜日に会議があったのか、他の先生にそれとなく尋ねたんだ。
答えは、会議なんかないという。
疑惑は大きく膨らむ一方、どこか冷静な自分もいて__。
土曜日、私は先生を尾行することにした。
先生のマンションは知っている。
バレるとまずいからと、一度も中に入ったことはないけど、先生が出てくるのを物陰から見張る。
あっ、きた。
先生が乗った車が、静かに走り去る。
もちろん、車で出かけるのは想定内だ。
「あれ、あの車を追いかけて!」
私は、バイクにまたがった大輔の腰をしっかりと掴んだ。