偽装ウエディング~離婚前夜ですが、抱いて下さい。身ごもりましたが、この子は一人で育てます。~
晴れ渡り、絵画のように青い空が目の前に広がっていた。
日本で言えば、初夏から秋口を感じさせる快適な気候。

異国の清々しい空気を鼻腔に一杯吸い込んだ。

彼は私の荷物をトランクに入れた。
そして、助手席側のドアをスマートに開き、私を先に乗り込ませて、運転席へと乗り込む。
「玲人さん…ありがとう御座います」

「礼なんていいですよ…杏花」

彼は柔らかな笑みを浮かべて、エンジンを掛けた。

空港の駐車場へと出て、ドバイの中心を目指して走っていく。

「ドバイでって素敵な場所ですね…」

「…まだ来たばかりでしょ?ドバイの良さを知るにはまだ早いですよ…杏花」

彼は車線変更して、アクセルを踏んで加速する。



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