偽装ウエディング~離婚前夜ですが、抱いて下さい。身ごもりましたが、この子は一人で育てます。~
『オリオンホテル・ドバイ』
俺達は夫婦で創立記念パーティーに足を運んだ。
シックな黒のマーメイドラインのイブニングドレス姿の杏花。

全体的に華奢であるが、カラダのラインは美しく、夫の僕は彼女の艶に圧倒されていた。

僕も正装のブラックスーツに身を包んだ。

外国人たちの多い中、日本人の僕たちは目立った。

「支社長」

「保」

車を駐車場に停めて来た保と落ち合い、パーティー会場のホールへと向かった。

ホテルで一番豪華な黄金色に輝く広いホールで催された。

「緊張します…」

僕の腕に組まれた彼女の腕は僅かに震えていた。

パーティーに招待されている人達は皆富裕層の人ばかり、中東圏の国のカンドゥーラを身に纏った王族も混じっていた。


アラブ系の男性は僕よりも体格が良く、野性的。
一夫多妻制で、第一夫人、第二夫人と妻を何人も娶り、子を大勢儲けている。一人の女性であたふたしている日本人の僕には考えられない世界。







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