偽装ウエディング~離婚前夜ですが、抱いて下さい。身ごもりましたが、この子は一人で育てます。~
突然、恋人にされしまった私も彼と一緒に頭を下げて、雅さんを見送った。
「行きましたか??」
「はい」
玲斗君は顔を上げて、安堵した表情で胸を撫で下ろした。
「雅さんって誰ですか?」
「大手メガバンク『花菱銀行』脇坂頭取のご令嬢です」
「えっ!?そんな人との見合い、断って良かったんですか?」
「力のある人の娘を妻に迎えて、更なる力を手に入れる。
我が社に、僕にもメリットはありますけど。
今の僕は現状で満足していますから・・・」
「・・・」
「僕は店に戻ります。貴方はどうしますか?」
「え、あ…私も店に戻ります」