偽装ウエディング~離婚前夜ですが、抱いて下さい。身ごもりましたが、この子は一人で育てます。~
玲人さんは寝室を出たのを見計らい、ベットから出た。
二人でも大きすぎるキングサイズのダブルベット。
私は下着姿で着ていたスーツを探す。
クローゼットの扉を開くと昨日のスーツとブラウスがハンガーに掛けられていた。
酩酊状態だった私は全く身に憶えがない。
自分から服を脱ぐなんてはしたない。玲人さんの忠告をちゃんと訊いておくべきだった。
心の中で何度も後悔し、ブラウスとスーツを着込む。
あの優しい紳士的な友永先輩が薬をワインに混入させるなんて。
今でも、信じられない・・・

盛られた薬と酔いの余韻でカラダは気怠く、頭が重かった。
寝室から出ると、玲人さんもバスローブから昨日とは違うスラックスとシャツに着替え、袖口の釦を留めていた。

「朝食は洋食と和食の二種類用意できますけど、どちらがいいですか?」

「洋食でお願いします」

「分かりました」

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