偽装ウエディング~離婚前夜ですが、抱いて下さい。身ごもりましたが、この子は一人で育てます。~
「恋人の振りをして下さいと頼みましたが、本物の恋人になってくれとは頼んでいませんよ」
「すいません」
私は玲人さんに昨晩の非を詫びた.
「杏花さんのこれに懲りて、危機感を持つと思います。単なる過ちとして僕も忘れますし、貴方も忘れて下さい」
「憶えていないコトを忘れろと言われても…どう忘れていいのか・・・」
「じゃ後で昨日の再現してみますか?」
「再現?」
「抱き合ってキスしましょう」
今度は玲人さんがその気になって迫る。
「それは…無理です」
「僕だって無理です。杏花さんでは欲情しません」
玲斗さんはどさくさに紛れて私に対して失礼なコトを言ったような気がした。