偽装ウエディング～離婚前夜ですが、抱いて下さい。身ごもりましたが、この子は一人で育てます。～

「・・・でも、玲人さんと修人さんは半分血が繋がっているでしょう？」

「父親は同じですからね」



「今でも修人に想いを寄せているんですか？」

「別に・・・修人さんは私の初恋の人。
私にはとっても優しかった。だから、修人さんのコトを悪く言わないで」

「僕の言葉が信じ難い…と言うワケですね」

「まぁ・・・」


玲人さんは顔色を変えず、ホットコーヒーを口に含んだ。

「杏花さんが見ている修人は本当の修人ではありません」

「そうかもしれないけど・・・」

「修人の話はこれでジ・エンドにしましょう。
朝食がマズくなります」

亡くなった正妻の息子の修人さん。
愛人の息子の玲人さん。
二人の間には他人の私では分からない溝があるのね…