偽装ウエディング~離婚前夜ですが、抱いて下さい。身ごもりましたが、この子は一人で育てます。~
「本当に何もないんですか?」
質問しない私に念を押す。
「・・・夫婦としての営みは本当にないんですか?」

「・・・離婚前提である以上、貴方に手を出すコトは不誠実になるので、一切ありません。まぁ、でも…キス位はしておきますか?少しぐらいは結婚して、貴方と夫婦になった実感も欲しいので」

「え、あ…」

キスか…私も玲人さんと同じでリアルに結婚した実感が欲しかった。

偽装結婚開始の誓いのキスと言うコトで。


私は彼のキスの提案に応じた。


「分かりました…」


「杏花は修人と結婚したかったと思いますが…この僕で残念でしょ?」

「別に…」
初恋は実らないモノだと言うし、あの時、流した涙で修人さんの想いは吹っ切った。


出来れば、夫となった玲人さんに恋をしたいんだけど。

ダメかな?
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