偽装ウエディング~離婚前夜ですが、抱いて下さい。身ごもりましたが、この子は一人で育てます。~
『キングダイニング』が運営するイタリアンレストランのケータリングで夕食を済ませた。
玲人さんは部屋に戻ってしまった。

私はゴミを片付けて、ダイニングテーブルを布巾で拭いた。
明日からこの私は留守を預かる部屋は玲人さん仕様のシンプルだけど、高級感のある素敵な部屋だった。
壁に飾られた海の絵画は熱海の海を思い出す。


私の好きなように模様替えしてもいいと言っていたけど。

私は彼が日本に戻る時まで、このままにしておこうと思った。


彼がリビングに戻って来た。

その顔は何処か照れ臭そうに頬を赤らめていた。

「玲人さん?」

「忘れる前にキスしましょう。杏花」


< 39 / 136 >

この作品をシェア

pagetop