偽装ウエディング~離婚前夜ですが、抱いて下さい。身ごもりましたが、この子は一人で育てます。~
玲人君は尊大な溜息を吐いて、見つめ返す。
「僕は別にここに、遊びに来たワケではありません。
勉強する為に来たんです」
玲人君は中指で眼鏡の真ん中をクイッと押し上げてドヤ顔で返す。
「折角、熱海に来たのに、勉強なんて東京でもできるでしょ??」
私は玲人君の腕を強引に引っ張った。
「一緒に遊びましょう!!」
「僕は・・・」
「いいじゃない!!私、ヒマなんだもん。遊んでよ!玲人君」
「杏花ちゃんがヒマでも、僕は勉強で忙しいんです!」
「勉強なんて後ですればいいでしょ?」
私はしつこく食い下がり、玲人君は渋い顔で椅子から腰を上げた。
私の粘り勝ち。