偽装ウエディング~離婚前夜ですが、抱いて下さい。身ごもりましたが、この子は一人で育てます。~
国際線のファーストクラスの待合ロビーで共にドバイに旅立つ秘書の村上保(ムラカミタモツ)さんと落ち合った。
「副社長、お待ちしてました」
「あぁ~でも、ドバイに行けば、僕は支社長ですよ…村上」
「分かっていますよ…」
彼との別れが刻一刻と迫って来る。
―――このまま逢えなくなるんだと思うと寂しい。
思わず、私は玲人さんのコートの袖を掴んだ。
「何ですか?杏花」
「手とか握っていいですか?」
「え、あ…まぁ―・・・」
樹生さん達の目もあるし、彼は私の手をそっと握った。
でも、今度会う時が私達の離婚日だし、早く帰って来てとも言えなかった。
「どうしたんですか?杏花」
「別に…」
玲人さんは少し困ったように眉間にシワを寄せた。
「副社長、お待ちしてました」
「あぁ~でも、ドバイに行けば、僕は支社長ですよ…村上」
「分かっていますよ…」
彼との別れが刻一刻と迫って来る。
―――このまま逢えなくなるんだと思うと寂しい。
思わず、私は玲人さんのコートの袖を掴んだ。
「何ですか?杏花」
「手とか握っていいですか?」
「え、あ…まぁ―・・・」
樹生さん達の目もあるし、彼は私の手をそっと握った。
でも、今度会う時が私達の離婚日だし、早く帰って来てとも言えなかった。
「どうしたんですか?杏花」
「別に…」
玲人さんは少し困ったように眉間にシワを寄せた。