偽装ウエディング～離婚前夜ですが、抱いて下さい。身ごもりましたが、この子は一人で育てます。～
クリスマスは幸人さんと由夢さん、楓ちゃんの四人で過ごさせて貰った。
大晦日から、実家の熱海に戻った。

「やぁ～杏花さん」

ホテルのロビーでは、ルキ君と岩城さんが私を待って居た。

「どうして!?ルキ君が私のホテルに居るんですか？」

「あ…映画の撮影で…このホテル共演者たちとスタッフで貸し切っているんだ…あれ?知らなかった？」

「知りませんよ…」

二人と一緒に居た兄は口笛を吹き、素知らぬ振りをした。

「お兄ちゃん！？わざと私に黙っていたわね…」

「俺からのサプライズだ…国民的スターのルキが目の前に居るのに…お前…反応薄いぞ…もっと驚けよ…」

国民的スターと言われても、ルキ君は社長室の常連だし、芸能人オーラは常にあるけど、お話すると普通の男性。

ときめきはなかった。

「まぁ~いい。入れよ…」

兄は私のキャリーバックを運んでくれた。

ホテルの敷地内にある実家を目指した。

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