キミ、が欲しい



放課後の教室。




2年A組。




委員会が終わるのを待っててくれたキミ。




私の席に座り、伏せてしばし睡眠中……なのかな。
そっと近付いて前の席に座った。
誰も居ない、夕焼けでオレンジ色に染まる教室。




髪のオレンジと重なって綺麗………




長い睫毛にまだ起きないで…と願った。
可愛い寝顔、もう少し見ていたい。




「星那…………」




突然そう呟いて起きてるのかな?と思ったけど瞳は開く気配がない。




「嗚呼………すげぇ好き」




独り言……?




「離れたくない……」




そうだね、同じ気持ちだよ。
それより、それ寝言?
それとも…………




「星那…………」




はい。
なーに?




「可愛いなぁ………」




「そりゃ、どうも」




バチッと瞳が開いて飛び起きるキミ。
思わず口を隠して周りを見渡して再び前に座る私を見た。








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