キミ、が欲しい



「ハルの、お・ヨ・メ・さん」




「な、なななっ…!俺が迎えに行きます…」




「え〜?待つ自信ないなぁ〜」




「星那〜」




「え、なに?私を人妻にしてどうするつもり?ん?独占したいの?」




いつものようにからかってイジワルしちゃう。
ていうかまだ高校生だよー?私たち。




「……したい。独占したい…!」




席を立って、目の前に来るから
思わず私も背筋を伸ばす。
え、いつもの顔つきじゃない。




「こんな俺だけど、ついてきてくれますか…?」




いつもオドオドしてて自信なくて怖がりで、一歩も二歩も下がったようなキミだったけど。
今日はちょっと違う。
決意に満ちてる。




口より先に身体が動いて…ギュッと抱きしめた。




「勿論…!」




2人して照れ笑い。
どちらからともなく唇を重ねる。




大好きだよ、ハル………




2人でついた一生分の我がまま、




果たそうね………











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