キミ、が欲しい
「確かに一皮むけた感はあるけどオドオドしててウケるんですけど?タイプじゃないでしょ」
「そうかな?」
「なになに?これから私色に染めるとか?」
「うーん、それもいいね」
「星那は絶対年上狙うと思ってたんだけどな〜サッカー部の後藤先輩あたり?」
「誰?それ」
「はいはい、出たよ」
「星那は知らなくても寄ってくるもんね〜」
「まぁ、とにかく!ハルが一番なの」
ほんと、彼氏とかいらないって言ってたんだけど……なんなら男作んないで遊びまくろーとか思ってたんだけど………
あの瞳に出逢っちゃったんだもん。
初めて、欲しいと思った。
逃しちゃいけないって。
誰かに取られる前に自分のものにしたい。
ちゃんと愛したい、って。
たまに向かい合わせの校舎で見かければ手を振ったり、LINEする仲だ。
ハルはいつもオドオドしてる感じだけど、絵文字やスタンプ送ってくるんだよ。
私は文字のみのどシンプルで、どっちが男だよって思う。
そんな中、急に電話がかかってきて。
___ハル?どうしたの?
学校じゃ珍しかったからびっくりはしたけど、なかなか喋らないから「おーい」と言う。
___あ、会えるかな?D組来て…
切羽詰まった感じにクスリと笑う。
___なに?言わされてる系?
___あ、いや……その…
そんなことハルは恥ずかしがって言わないもんね。
一緒に登下校するだけでいっぱいいっぱいな感じ。
___2分でいいなら行くよ?
___あ…はい、お…願いします