キミ、が欲しい



「お、おい…」



ハルの小さな声でやめろよが聞こえたので。
踵を返しハルの隣で腕を組む。



「ごめんなさい、ハル以外はちょっと無理かな…」



と、可愛く言ったつもり。
現に誰も何も言えなくなってるから。
「じゃあね」とハルだけを見て教室を後にする。
また袋叩きにされてたら……ごめんね?



放課後、あの後大丈夫だった?と聞くと嬉しそうにうんと答えてくれた。
ハハハ、わかりやすいね。
でもその後。



「ちゃんと断われなくてごめん……俺、情けない」




「気にしてないよ、ハルが嫌な思いしなくていいように仕向けるから」



そう言うと急に立ち止まるハル。



「俺……本当はスゲぇ嫌だった。皆が結城さんのこと舐めるように見てて」



「いいんだよ、あ、でも…私がハルのこと好きなんだってバレちゃったね?」



「えっ?あ、えっ!?」



キミはいつでも湯でタコ状態。
ねぇ、いつになったら慣れてくれるの?
恋人繋ぎはもうちょい先…かな。
ゆっくりゆっくり進めてこうね。









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