キミ、が欲しい



そんなこと正直どうでもよくて、私が見たいのはハルのリレー。
第二走者って言ってたけど、ブルーのハチマキだけ違って見える。
男子リレーは本当見ものだよね。
順番に並ぶハルの姿、すぐにわかる。



こっちまでドキドキしてきた。



スタートが切られ大歓声に包まれる。
第一走者の人、早い。
ぶっちぎり1位じゃん。
よし、このまま1位守って…!
バトンがハルに渡った。



時折苦しそうにしながらも一生懸命走る姿は頼もしい。
ちゃんと目に焼き付けたからね。
ちょっと詰められて2位と併走しちゃったけど何とか1位は死守出来たのかな。
よく頑張りました。



終わってからも自分の後の走者を全力で応援してる。
キラキラ輝いた汗がキミを包んで、より私の気持ちを加速させるよ。
屈託のない笑顔でアンカーを迎え入れてる。



おめでとう、D組の勝利だね。



「星那、泣いてる…」



言われて初めて涙に気が付いた。



「桜庭くんにマジか……」



麻衣子も梓もやっとわかっていただけたようで、応援すると言われました。
自分でもまだフワフワしててよくわかんないとこもあるけど、今この胸が熱いのだけは紛れもない事実。
もう誰も入る隙なんてないくらい…好き。



大好き……かもしれない。






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