キミ、が欲しい
「え…?」
「だからごめん……しない方がいいと思う」
真っ赤になりながら距離を取ろうとするキミの顎を持ち上げる。
「上手いとか下手とか関係ない、どんなキスだって私はハルとのキスなら全然いいよ…」
「でも…どうしたらいいかわかんない」
口元を腕で隠しちゃうキミは不安でいっぱいなんだと気付く。
ごめん、ごめん。
その瞳で見られたらつい……
「そうだね…私もどうしたらいいかなんてわかんない。でも、ハルとしたいって思う……ハルはキス嫌?」
答えがイエスならどうしよう。
この燃えたぎった想い、鎮火する自信ない……
ゆっくり首を横に振ってくれた。
「結城さんにだけは……幻滅されたらどうしようって」
今にも泣きそうな儚い表情に理性も何もかも吹き飛んだ。
「泣かないで?幻滅なんて絶対しないから…っ!」
精一杯優しく触れて、少し震えてるのがわかって……首の後ろに手を回した。
戸惑いや不安……受け入れるだけのキスではあるけど、そこがまた初々しくて私は好きだな。
でもそろそろ限界。
「ハル……」
トロンとした視線が絡む。
徐々に顔つきが男になって、唇離したら少し欲しがってる。
再び顎に手が触れて……
「ハル……口開けて」
言われるがまま素直に応じたキミの口の中を優しく舌で犯していく。
幻滅なんてしないから。
むしろ、「好き」が上書きされていく。
「ハルも……来て?」