キミ、が欲しい



ゆっくり距離を縮めていく。
早くしないと私の体…乗っちゃうよ?
太ももが触れてしまいそう……



「星那っ…さん」



「……なんで“さん”付け?」



クスッと笑う。
無理だよ〜って言ってる。
どれだけ可愛いの?
もしかして狙ってる?



だったら有言実行しちゃうからね……



チュッと触れてみた。



「あ……」



「呼んでくれないなら……」




キスでわからせてあげる。




深い口づけで気が遠くなりそう。
反応してるのが伝わって、思わずハルは体を起こした。



「星那っ……」



吐息混じりに名前を呼ばれて両手で距離を取ろうとしてくる。
何かモゾモゾして前かがみな姿勢。



「ハル…?」



近くにあったクッションを抱きかかえて距離を取るからピンときた。
それでも隣にピタリとくっつく私に苦笑いだね。



「ごめん……」



「ううん、名前呼んでくれたから許す…」



肩に頭を預けて手を握り合う。
何か体温熱いね。
ゆっくり進めていこうって思っててもハルが可愛い過ぎて…つい。



その後ゲームして、写真撮ったりなんかして甘くて楽しいひとときを過ごしたね。



「7月26日の花火大会、一緒に行こうね」



追試も終わってる頃だから思いっきり楽しみたいな。
オシャレしてデートもしたい。
色んな場所に出掛けたい。
ハルと過ごす初めての夏。



尋常じゃないくらいドキドキして



恐いくらい好きになって



愛しいこの手にずっと触れてたいって



きっと、ずっとずっと先も思ってるんだと思う。










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