キミ、が欲しい
「おーい、ハルくん?」
「お、俺、初めてだからっ…」
「うん、知ってる」
「絶対絶対ヘタだし…」
「初めはみんなそうだよ」
「でも俺っ……」
「ハルは私に触れたくない?」
「えっ……」
「私は好きだから触れたいし、触れてほしいよ…」
膝を抱えて伏せた視線。
「星那は……初めての時怖くなかったの?」
「……………」
ここにきて、その質問!?
えっと……何て答えるべきか。
「俺は……好きだからこそ、怖い…」
「怖い…?」
正直、そんな答えが返ってくるなんて想像もしなかった。
初めて言われた。
求められてばかりだった行為が、
当たり前のようにする行為が……
何か……初めてそう言ってくれる人に出会った。
「興味がないわけじゃないよね…?」
一応確認の為に聞いたら首を横に振った。
「こ、心の準備がっ……」
目がテン……とはこのことか。
「乙女かっ!」
思わず突っ込んでしまったけど本当は嬉しい。
「ごめんなさい…」と小さくなるハル。
可愛くて仕方ない。
「え〜、でも私そんなに待てないかも」
「えっ!?」
「ハル見るたびにこんなにドキドキしてるから」
そっとキミの手を自分の胸に当ててみた。
「なっ、なにしてんの…!」
服の上から当てただけなのにめちゃくちゃ動揺してる。