キミ、が欲しい



「付き合ってとか言わないから!友達としてでいいから!」



そんな深々と頭下げなくていいから…
てか、何なの?これ…



「ちょっと…やめてください」



あまりにも目立ってたからか、麻衣子と梓が来てくれた。
「星那?どした?」って。
これ、どう説明しようか。




「あ、お友達と一緒に来て!ね?水泳大会!そしたら俺マジで頑張れるから!」



ね?ね?ってウルサイ。
そんなにすごい大会なの…!?
麻衣子たちと目が合う。
助けて〜と念力を送ったはずなのに。



「え〜私たちもいいんですか?ラッキー」って梓!?



「行きます!絶対星那連れて行きますね〜」だと?麻衣子!!



ちょ、ちょちょちょい…!!



「やった〜!じゃ、楽しみに待ってるね〜!良い席空けとくから!」



風のように現れて、嵐のように去って行った……



「ちょっと2人とも!」



「え〜いいじゃん?3年生の大会は倍率高くて1年生なんかほとんど入れないらしいよ?それを見に来て〜なんて超ラッキーじゃない?」



「本当、星那サマサマだよ〜。別に告白された訳じゃないし、彼氏いるの知ってるだろうし?」



マジか……この2人。
私は、正直ハル見れたらそれで充分なのにな。
しかも同じ日だなんて。
2年生は修学旅行とかぶる為、後日大会が行われる。
1年生が午前中、3年生が午後から。



この学校、スポーツも特化してるから推薦者も多い。
プールも屋内だし観覧席もある。
この時期、水泳部はモテモテなんだってさ。






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