キミ、が欲しい
【文化祭 / 前夜祭】



「何で水泳大会、男と来てるんだよー!!」



3年生のサッカー部、後藤先輩に見に来てと誘われた水泳大会。
遅れて見に来たあげく、隣にハルが居たもんだから思いきりクレームつけられた。



「え、お友達も一緒にって言われたので…」



まぁ、正確には彼氏ですけど。
わざわざ1年A組まで来て言うことですか?



「男なんて聞いてないもん…グスン」



いや、泣きつかれても困る。
麻衣子たちも苦笑い。
泣きマネしてるかと思えば次はビシッと指をさされた。



「じゃあ、次は文化祭!俺との時間作って」



「はい?」



「俺のクラス、お化け屋敷だから絶対遊びに来てね。あ、次は男お断り!」




本当、風のように現れて、嵐のように去っていく人だ。



「次こそは星那1人の方がいいんじゃない?」



「え、面倒くさいよ…」



「え〜でも絶対絶対、後藤先輩って星那に気があるよね?」



「中学時代思い出すわ〜星那のモテ期はまだ健在だね」



「伝説だよね!星那のモテ方は」



中学時代を共にした2人は、私より私を把握してんじゃないかって疑うくらい何でも知ってる仲だ。
だからこの話を出されるといつも小さくなる。







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