キミ、が欲しい
「そんなに気になる?私と拓海、キスもエッチもしたんだよね?どれくらい付き合ってたのかな?復縁なんてしたらどうしよう……とか心配してんの?」
「えっ……」
「顔にそう書いてる」
でもハルが思ってる以上に私、ハルに惚れてるんだよ?
これから先、拓海とどうにかなるなんて有り得ない話。
「ふーん、私のハルに対する気持ち疑うんだ?」
「いやっ……そうじゃない!」
「じゃあ何?何が引っかかってるの?全部吐き出して」
頭を抱え言いにくそう。
言葉を慎重に選んでる、というか。
言おうとして、やっぱやめる…みたいな。
歯切れの悪い表情。
「言いたくない………」
「はぁ!?」
散々待たせて結局それが答え!?
「言いたくないけど…!星那には嘘つきたくないから……」
そう言うとお腹あたりに抱きついてきた。
「俺にはわからないから……あの人と付き合ってた頃の星那のこと。俺にとっては初めての相手だけど星那は違うわけで…だから嫌でも考えてしまう」
「……何を?」
「俺より……キスしたんだろうな、とか…エ、エッチも俺みたいにヘタじゃないんだろうな…って」
プッと思わず吹き出してしまった。
「だから言いたくなかったんだ…!こんな俺、一生ダサくて格好悪い」
「ごめん、ごめん。男子ってそんなこと考えるんだね」
「こんな自分、大嫌い…」
顔をうずめるハルの髪を撫でる。
「ねぇ、ハル。私自身が個人的に思うことなんだけど…大事なのは最初の人じゃなく、最後の人だと思うんだ」