キミ、が欲しい
確かに私はハルが初めてじゃない。
それは紛れもない事実でそれが現にハルを苦しめてるんだよね…?
出来ることなら、私も初めてはハルとが良かったよ。
「もう少し早くハルと出逢えてたら、こんなに不安にさせることもなかったのかな……ごめんね」
顔を上げたハルを抱きしめた。
「ハル……大好きだよ」
これだけは事実だから言うね?
ハルとするキスが、
ハルとするエッチが、
私の中で一番だよ。
一番幸せなんだよ。
後にも先にもハルを越える人なんて居ないよ。
ハルが、全てなの。
泣かないでよ。
ハルの心が泣いてたら私だって哀しいよ。
「俺だって…大好きだよ!星那が一番だよ…最後の人に…なりたいよ」
「……なってよ」
「え…?」
「ていうか、ならせてあげる」
「星那……」
「だから……ハルはダサくなんかない。自分を嫌いにならないで?自分を悪く言わないで。これからは私が、その何倍もハルを愛してあげるから」
頬を伝った雫は私の指が拭う。
ねぇ、ここはこのまま感動のキスシーンでしょ?
泣いてちゃ出来ないじゃん。
「男なら泣くな」
「うぅ……ごめん」
「……キスしていい?」
「……はい」
はい…って、初夜か。と突っ込む。
泣きながら受け身態勢なハルが可笑しかったけど、まるで初めてのキスを味わうかのように私たちは唇を重ねた。