キミ、が欲しい
【キミ、との誓い】
期末テスト最終日。
「千晴ちゃんは今日からだよね?数学あんな教え方で大丈夫だったかなぁ?」
帰り道。
ハルと並んで下校途中。
「本当喜んでたよ、ありがとね」
「どういたしましてー。それより今からどうしようか?私はまったりしたいな〜」
「ま、まったり…!?」
「テスト勉強頑張ったわけだし……ね?」
「えっと………」
繋いだ手を揺らしながら「ねぇ?」と覗き込む。
今日こそ襲っちゃうぞ?って思ってたら。
門前で何やら人だかり。
女子がキャーキャー騒いでる。
その中心に居る人物こそが………
「あ、俺?彼女いないよ?」
「好きなタイプ?キミみたいな子♡」
一際目立つ茶髪にピアス。
ニコニコしながら女子に囲まれて何やってんだか。
しかも他校の生徒。
またしてもやって来た須賀 拓海。
「あ、居た居た!ハルちゃん!」
人だかりから手を上げてこっちを見てる。
ん……?ハルちゃん!?
「ごめんね〜また今度ね」と言いながら私たちの方へ来た。
「俺も今日でテスト終わったんだ〜1限目だけだったから奇跡的に間に合った〜」って、ダッシュで来たの?
ったく、何度来られても答えは同じ。
迷惑だからって言おうとしたら、顔の前に真っすぐ手が伸びてきて私の動きを止めた。
「今日は星那に用があって来たわけじゃないんだ」
「え?」
「悪いけど星那、今日は俺にハルちゃん貸して?」