キミ、が欲しい



「もう一回言って?俺の女…」



「えっ…!?いやぁ……えっと」



後から聞いたら、拓海がハルに
「あいつ1人にしたら高確率でナンパされっからちゃんと守ってあげてね?」と言われたらしい。
わざと両替に行かせたのね?



その後もUFOキャッチャーで対戦は続き、結局2人ともヘタッぴだから一番大きなぬいぐるみ、私がゲットしてゲーム終了。



「あ〜楽しかった」って、私は疲れただけだよ。



「ハルちゃん、今度はマジで俺と遊ぼう?本当に友達として」



「う、うん…!喜んで」



え、何?この連帯感。



「俺、ハルちゃんが本気でヘタレだったらこのまま星那を奪い返そうって思ってたんだけど…やめとくわ」



「え…?」



「俺には星那をあんな笑顔に出来そうにないから…あんな嬉し涙も」



今度は私の前に来て
「もし別れたら俺のとこ戻って来てね?」ってバカか。
「でもハルちゃんって面白いね?からかい甲斐がある」
それだけは若干認めるけど……



クルッと回って拓海に壁ドンされたハルはびっくりしてる。



「本当に、本当に星那を泣かさないでね?その時は遠慮なく奪いに行くから」



ちょっとやめなよ…って言えない空気。
男同士の気迫のこもった睨み合い。
本当、趣味悪い。



拓海ってそういうヤツなの。
わざと邪魔して仲違いに全力注いじゃう。
そう言えば私との出逢いもそんな感じだったっけ?
ね?趣味悪いでしょ?







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