【BL】年上の意地、年下の本気
“…逞真が来てくれなかったら、また………”
ふとこの男と初めてあった日を思い出した。
あの時結城さんは何を言いかけた?
「可哀想に。雅は君に俺の代わりをさせているだけなんて知らずに抱いてたのか。」
「……………」
背中にいる結城さんは一言も喋らない。
…それが答えだと思うならそれまでだ。
「雅を最初に抱いたのは俺だ。逃げる雅を捕まえて何度も何度も…っ」
「逞真!」
やっと澄ました顔が崩れた。
…ぶん殴ったらさすがに崩れるよな。
「…まぁ精々、束の間の幸せを楽しめばいい。」
口の端についた血を舐め取り、清水 瞬はエレベーターへ乗って行った。
「結城さ「この…っバカ逞真…!」
くるりと振り返ると、結城さんからのタックルを食らった。
もちろん痛くないけど。