【BL】年上の意地、年下の本気


「んっ、あ…っ」


こうやって年下に上をされるのも、年上の意地も何もかもかなぐり捨てて抱かれてしまうのも、



「結城さん、俺のこと好き…っ?」


きっと────。



「…っ嫌いじゃ、ない……!」




いつだって好きと言えない俺の本心を察するかのように逞真は満足気に笑う。

「嫌いじゃない」
そんな素直じゃない言葉でさえも喜ぶ。







「……好きだよ、バカ………」




逞真にしがみつき、耳元でボソリと呟くと逞真は奥歯を噛み締めた。

これは癖なのかなんなのか分からないけど、逞真は俺を抱く時に背中に爪を立てる時がある。



…なにかを我慢してるみたいに。




「逞真……っなにか、我慢してないか…?」



そうやって奥歯を噛み締めるのも、手に力を込めるのも。






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