【BL】年上の意地、年下の本気
「じゃあ楓華、邪魔なもの全部取っちゃおっか」
一瞬、柊に戻った。
…演技をしていた頃の柊に。
「柊……こんな事、する男なんて思ってなかった。」
「ヤらせてくんないのが悪いんじゃん?」
思い描いていた恋愛だった。
柊との“最初の頃”は。
登校する時、家の前で待っていてくれて。
下校する時、手を繋いで帰って。
………幸せ、だった。
「───君たち、何してるの?」
凛とした声が夜の公園に響いた。
薄目を開けて見えたのはスーツ姿。
……目を開いて見てみると、目を奪われた。
「あ?わかんねーの?今からいいとこなんだよ、あっち行けや」
グループの中の金髪で不良っぽい男は男の人の胸ぐらを掴んだ。
シワひとつないスーツにシワを作って。