【BL】年上の意地、年下の本気
「…大丈夫?怖かったろ、遅くなってごめんね。」
公園から離れると足が震えて立てなくなった私を軽々しく抱えた。
…その細い手の何処にこんな力が…。
「助けてくれて、ありがとうございます。」
この人が来てくれなかったら私は今頃……考えるだけでゾッとするから首を横に降り、何も考えないようにした。
「…とりあえず服の着替え用意するね」
さっき通った高層マンションに入った時はびっくりした。
その最上階だった事も。
「何から何まで…申し訳ない…です」
やはり綺麗な顔をしていても男の人だ、服がぶかぶか。
でもいい匂いがする。
部屋もホコリひとつない。
…完璧な人って存在するんだ。
「気にす……しないで。家遠いなら泊まってっても構わないし。…あでも嫌だよね、ごめん」
さっきから結城さんは笑顔がぎこちない。
…なんだか違和感を覚えてしまう。