【BL】年上の意地、年下の本気
その1年後───
私は無事大学を卒業し、とある場所を目指す。
「お、君が榎本 楓華ちゃん?またえらい可愛ええ子来たで〜!な、しゃちょー?」
「…小鳥遊、うるさい。」
「はいはい。ほんまにしゃちょーはツンデレなんやから!」
やっと追いついた。
この人に。
「よろしくお願いします、社長。」
「…これからよろしく、榎本。」
誰よりも近くで、今度は私が社長をお守りする。
「苦っ!誰ブラックコーヒー淹れたの…!」
このそそっかしくて、掴んでいなければどこかへ行ってしまいそうでも───
「榎本、次は大事な商談だから。」
「──はい。すぐにお車を出します。」
真面目な時は真剣な、この顔を曇らせるようなものを私は排除すると決めた。
あの時ベッドの上で誓ったから。
「社長をお守りできる完璧な秘書を目指す」と。
───