【BL】年上の意地、年下の本気


「瞬、おはよう」

何も知らない純粋で無垢な笑顔。
…それとは逆に、毎晩抱かれる俺。


酷く穢れているように思えた。



「…もうやめよう、こんな事。」

「はァ?やめねぇよ。」


いつの間にか俺の中には“好き”だという感情は薄れていた。

そうなってくると毎晩抱かれるという行為は、本当にただの意味の無い行為になった。






「瞬、元気ないけど…大丈夫?」



その無垢な笑顔を見る度に




「…あぁ。」

「何かあったら言ってくれよ?…幼馴染なんだから。」



その純粋な好意を向けられる度に








「………ごめんな、雅。」




自分の惨めさに押し潰されそうになった。

そして俺は、一番やってはいけないことを大切な人にしてしまったんだ。







< 154 / 178 >

この作品をシェア

pagetop