【BL】年上の意地、年下の本気
「──もしもし。」
電話に出た。
ただそれだけで、なんとも言えない感情になる。
『雅、風邪と聞いたが。』
雅の友人のSNSを見た情報を尋ねると、本当らしくすんなりと答えた。
相変わらず無垢で、何も知らないままだ。
「た……すけ…て…………逞、真………────」
泣きながら男の名前を呟いた。
…やっぱり、まだ足りない。
「…まだ、嫌え。」
俺を……お前を無理矢理抱いた男というモノを。
そして……幸せになれ。
本来愛すべき異性と、正しい恋愛をするんだ。
……俺のようにならない為にと、お前への接し方を間違えた俺を……許してくれる筈がないよな。