【BL】年上の意地、年下の本気
「スポンジ、変わった色してるな。」
ピンクっぽいようなオレンジっぽいような。
「あぁ、それスポンジに人参が入ってるんですよ。」
……………なんでここに入れた。
「あれ?食べないんですか?」
絶望的だ。
今まで両親からも色んな手を使われて、それでも人参を嫌ってきた俺が今更好きになれるわけない。
ましてや大好物に大嫌いなものが混ざるとか……複雑すぎてもうおなかいっぱいなんですけど。
「騙されたと思って食べてみてくださいよ。一口だけ。ね?」
……でも、今まで手の込んでいた人参料理は残さなかった。
申し訳なかったから。
「…あ。」