【BL】年上の意地、年下の本気
「は?!そんなの急に言われたって、」
『誰かといるのか?』
「や……その……」
電話越しにエレベーターの音が聞こえた。
もうそこまで来てる。
『早く開けろ。』
チャイムが響き、逞真が不安そうにこちらをチラチラ見ている。
開けると面倒なことになるけれど、開けなければ一夜だって待つだろう。
…そういう男だ。
「逞真、少しの間奥の部屋に行ってて。」
電話を切り、クローゼットルームの方を指さした。
さっきまで少しドアが開いていたから、あそこならそう寒くもないと思う。
「随分遅かったな。」
逞真を隠して玄関を開けると、相変わらず黒縁メガネの似合う綺麗な顔をしたそれはそれは冷徹な男が立っていた。