【BL】年上の意地、年下の本気
「……それは悪かったね。」
あからさまにムスッとした態度をとると、瞬はくるりと振り返った。
「相変わらず子供っぽいな。」
ニヒルに笑うその顔は、俺だけに向けられるもの。
…ほんの一時期。
この男に、好意に似た感情を抱いていた時期があった。
1つ歳が違うだけなのにこんなにも大人で、異性はもちろん同性からも好かれる瞬。
いつの間にか憧れは好意に変わってきていた。
──でも。
「っ、触るな…」
触れられるだけでまだ身体は熱くなるし、心臓だってさっきからうるさい。
未だに嫌いになれないこんな自分が俺は大嫌いで仕方ない。