【BL】年上の意地、年下の本気



───

まだ俺が高校生だった頃。


隣の家に住んでいた瞬に呼び出されて、俺は上機嫌で瞬の家に向かった。




「…誰もいないのか?」


チャイムを鳴らしても、本人すら出てこない。


……呼び出したくせに。






「“開いてるから入ってこい”…?って、開けに来いよ!」


1人で玄関先で呟いて、瞬の家の扉を開けた。

本人から了承は得たとはいえ勝手に入ってるみたいでなんか嫌だったけど。







「瞬ー、入る……ぞ…………」








“瞬の部屋”

小学校の頃から変わってない、自分の部屋の証。

それを目の前にするといつもドキドキしてドアノブを掴むのすら狼狽えていた時期もあったっけ。







< 36 / 178 >

この作品をシェア

pagetop