【BL】年上の意地、年下の本気
逞真side
芸能界にいて、いつだって頭で判断してから動いていた。
だから危機察知能力というものは秀でていて、安全で安泰なルートを辿っていた。
…でも。
「結城さんから離れろ。」
考えるより先に体が動いたのは初めてですよ、結城さん。
あなたには本当に狂わされる。
「…やっぱりな。」
瞬と呼ばれた男。
完璧そうに見える男は結城さんとただの友達と思っていた。
「雅の可愛い顔を俺以外に見せるつもりは無い。」
まるで宣戦布告。
どんな関係かは知らないけど、少なからず友達ではなさそうだ。
「雅、また来る。」
その余裕の裏には何で結城さんを結びつけているのか。
「結城さん、大丈………」
腰に華奢な手が巻きついてる。
結城さんの手だ。